森林破壊
家にはいつもティッシュがあるから、気軽にいくらでも使っているけど、紙は、もともとは木から作られているよね。ティッシュやトイレットペーパーなど、毎日紙をいっぱいつかっているのに、札幌とか北海道の木がすごく減ったという気がしないのはなぜだと思う?
リサイクルした紙で作っているから、木が減らないんでしょ
たしかにリサイクルはされているんだけど、それはぜんぶじゃないんだ。日本の紙の原料は、みんなからリサイクルされた古紙が約6割で、のこりの約4割が木材から作られたチップやパルプ。そのチップやパルプの4分の3以上は外国から輸入しているんだよ。それからダンボールなどはほとんどが古紙で作られているけど、印刷に使う紙などでは20%くらい、包み紙などは6%くらいしか古紙は使っていないんだ。
ぜんぶがリサイクルした紙で作られているんじゃないんだね
紙だけでなく、日本は家具や、家を建てるときなどにたくさんの木を使っている。実は日本で使われている木の約80%が外国から輸入しているんだよ。なぜ、日本の木ではなく、外国の木を使っているのかというと、日本の森は山や斜面になっているところが多いので、大きな機械を使えないから木を切るのも大変なんだ。それで外国に比べて木の値段が高くなってしまうので、安く買える外国からいっぱい輸入しているんだよ。
日本にはたくさん木があるのに、わざわざ外国から木をもって来ているのか…
日本は世界で2番目、アメリカの次に多く木を輸入している国なんだ。そして今、とても心配されているのが、世界の森がだんだんなくなってきていることなんだよ。森は人間にとって大事なやくわりをしてくれているんだけど、知っているかな?
森の中には木や草がいっぱいあるけど、木や草は「光合成」で二酸化炭素をすって酸素をはきだしてくれている。人間も動物たちもその酸素をすって生きているよね。それから、森は水をたくわえてくれる。森がないと雨水はいっぺんに川へ流れて、下流で洪水がおきやすくなってしまうんだ。森はすごく大切な役割をしているんだね。
ところが今、熱帯雨林をはじめとして世界の森がどんどんへってきているのが大きな問題になっているんだよ。
熱帯雨林は赤道の近くにある暑い国、熱帯地方の森林のこと。熱帯雨林以外の森は、冬になると葉っぱが落ちたり雪におおわれたりして冬ごもりしてしまうよね。でも、熱帯雨林は一年中あたたかくていつも光合成をしていているんだ。地球の新しくつくられる酸素の半分以上が、熱帯雨林から作られているともいわれているんだよ。
でも、そんな大切なはたらきをしている熱帯雨林が、へりつづけている。その原因の中には、日本で使う家具や合板をつくるためだったり、くだものやヤシ油など日本に輸出する物の畑を作るためだったり、日本などで使われる金属を採るためだったりと、日本に住んでいる私たちにも深く関係しているものもあるんだよ。このまま、この熱帯雨林がへり続けると、酸素をつくってくれる森がなくなるだけじゃなく、世界の天気が変わるかもしれない。
熱帯雨林は地球全体の水のじゅんかんに大きなやくわりをもっているんだ。この地方は世界の中でもたくさん雨がふるところ。もし熱帯雨林がなくなると、そこにふるたくさんの雨はそのまま川や海に流れていってしまうから、雨の量もへってその土地は乾燥してしまう。その影響で、世界中でかんそうする地域がふえるかもしれないと予想されているんだよ。
気候が変わってしまうと、いろいろ大きな影響が出てくるんだ。それに、光合成をしてたくさん酸素をだしていた熱帯雨林がなくなると、二酸化炭素が増えるので、地球温暖化がすすむことも心配だね。
