地下水
雨が降らない日が少しくらい続いても、
川の水がなくなってしまうことはない。
そのわけはなぜだと思う?
実はね、土の中にしみこんだ水があるからなんだよ。それを地下水とよぶんだ。
ふだんは目に見えないけど、地面の下には地下水があってとても大切なものなんだよ。 雨が降ったり、雪がとけてちょくせつ川に流れていく水もあるけど、地面の下にしみこんでいくものもあるんだ。地面の下にしみこんだ水はゆっくりゆっくり土の中を流れて、やがて、山のすそのなどで地面の上にわき出て、それが集まって川になっていくんだ。
へー、地面にしみこんだ水が川に流れているのかあ
そう。そのおかげで雨が降っていない日でも、のみ水にこまらなくてすむんだ。それだけじゃないよ。地下にしみこんだ水はゆっくりと地下の中を流れているんだけど、地面からわき出て川に流れていくまでには何年、何十年、何百年という長い時間がかかっているんだよ。だから、いま流れている川の水やみんながのんでいる水は、もしかしたら江戸時代にふった雨が含まれているかもしれないんだよ。
水は自然の中で大きな大きな旅をくりかえしているんだね!
地下水はのみ水だけに使われているわけではないよ。世界中で地下水をくみあげて農作物を育てるのに使っているし、都市なんかでは工場の冷きゃく水や、ビルの冷ぼうなんかにも使っている。
ところが、いま世界のあちこちで地下水をくみ上げすぎて、地下水が足りなくなってきているんだ。 たとえば、中国。中国全体の穀物の半分近くを生産している大きな平野があるのだけど、そのほとんどで地下水の水位が1年間に1m~1.5mずつ低くなってきているそうなんだ。すごい量の水が減っているってことだね。日本に小麦などをたくさん輸出しているアメリカでも同じような問題が出てきているんだ。
だから世界の地下水がなくなっていくことは、食べものにも影響するかもしれないよ。
地下水って土の中なので見えないけど、大切なものなんだね
札幌の地下にも地下水が流れているよ。むかしは、地下水もたくさんあって街のあちこちに地下水がわき出ているところがあったんだって。
でも、人口が増えてたくさん地下水を使うようになって、札幌の地下水もへってしまったんだ。その影響で、地面が沈む地盤沈下が起きているよ。
その他に、人間の作った化学物質による地下水の汚れも大きな問題なんだ。地下水をお風呂やのみ水に使っている人もいるし、水はじゅんかんしているからね。
