ランチタイム講演会「エゾサンショウウオの育ち方」(報告)

2012年3月19日(月)
ランチタイム講演会IN情報センター

「エゾサンショウウオの育ち方」が終了しました。

 

★ランチタイム講演会とは...

お昼休みに気軽に生きものの話を聞くことの出来る講座です。

生物学や環境学を学んでいる大学生や大学院生、環境関連の仕事に就いている方を

講師としてお招きし、それぞれ専門の札幌市や近郊に生息している

生きものの生態や種の多様性のもつ不思議についてお話を伺います。

 

今回は酪農学園大学生命環境学科の佐藤 拓弥さんにお越しいただき、

エゾサンショウウオの生態や生活史について、

調査の体験談も交えてお話いただきました。

 

あまりなじみのないかもしれないエゾサンショウウオですが、実はカエルやイモリの仲間の

両生類で、北海道には広く分布しているそうです。

森林と近接した雪解け水がたまった池や湿地などに生息していますが、

水や森林がきれいでないと生息できないため開発の影響により

個体数を減らしているとのことです。

一般的な生活史に加えて、1年では上陸せず幼生で冬を越す個体群もあることなど

近年の調査や研究により判明してきた事実をわかりやすくお話ししてくださいました。

講演会の後半には、環境プラザスタッフとの対談もありました。

エゾサンショウウオはどうやって上陸を遅らせているのか、個体数の調査はどのように

行っているのか、札幌市内や近郊ではどこで観察できるのか、などの情報もお聞きすることができました。

 

 

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環境プラザで飼育・展示しているエゾサンショウウオ(カンキチ)も登場しました。

調査や自然観察で大人のエゾサンショウウオは夜行性で日中は物陰に隠れるのがとても

上手なため見つかりづらいそうですが、卵や幼生はこれからの季節、日中でもとても観察しやすい

ということも教えていただきました。

 

参加した方からは「普段の生活ではまず目にすることのない生きものについて知ることができ、

良かった」という声が聞かれ、身近に生息してても気づかない生きものが実は大切な存在で

あること、そして生きものと人の共生できる環境について考えるきっかけになったようでした。

 

来月は、2012年4月27日(金)

「植物から見たエゾシカの影響とは!?」と題し、

大沼 弘樹さん(北海道大学 大学院農学院 環境資源学専攻 森林緑地管理学講座

花卉・緑地計画学研究室所属)を講師としてお迎えし、野幌森林公園で実施しているモニタリング

調査で明らかになったことをお話していただきます。

植物たちはエゾシカによる影響を本当に受けているのでしょうか?
 

どうぞお昼休みにお気軽にご参加ください。

 

(環境プラザm・s)

このブログ記事について

このページは、環境プラザスタッフが2012年3月25日 19:14に書いたブログ記事です。

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