11月19日(土)にこどもエコクラブ第12回目の活動をしました。
前回に引き続き「ヒグマと人間の関わり」をテーマとし、今回はヒグマを含めた野生の生きものと私たち人間が共に暮らしていくことについて、メンバーみんなで考えて意見を出し合いました。
まず始めに、札幌市北方自然教育園の協力で提供してもらった、果樹園での梨の食痕やフン、爪痕などの写真を見ながら、ヒグマと人間の間で今起こっていることがどんなことなのかを知りました。
ヒグマのフンの写真を出したところ、あまりの量の多さにびっくり!
子どもたちは、写真を見たり目撃情報を聞いたりすることで、ヒグマが私たちの近くで暮らしていることを感じたようで、興味津々の様子でした。
私たちの住む北海道には、ヒグマ以外にもたくさんの生きものが棲んでいます。
どんな生きものがいるのか、そしてその生きものと人間の接点はどんなところなのかを挙げてもらったところ、ハト、カラス、タヌキ、アリ、エゾリス、スズメ、エゾシカ、キツネなどが挙がりました。
そしてその生きものも人間との間で、ゴミを荒らす・交通事故が起こる・寄生虫の問題があるなど、何らかのトラブルになっていることがわかりました。
そこで、野生の生きもののことをメンバーはどう思っているのかを知るために、3色のカードで「そう思う」「少しそう思う」「そう思わない」という気持ちを表わしてもらいました。
「もっと野生の動物を身近にみることができたらいいのに」「野生の生きものは人間との間でいろいろな問題が起きているけど、このくらいのトラブルは仕方のないことだ」といった項目のほか、農家や札幌市長の立場だったら・・・といった視点でも聞いてみました。
悩み抜いてカードを挙げたり、迷いはなく自信満々にカードを挙げる様子からは、自分の気持ちと向き合っていることが感じられました。
その後は、生きものがいないと良いと思うことと困ることをフリップに書いて出してもらうことで、私たち人間が生きものと共に暮らしていくことを考えるきっかけとしました。
生きものと共に暮らしていこうとする時に、どんな問題が起きるのか、または今起こっている問題を挙げてもらい、その問題を解決して共に暮らしていけるようにするためにはどうしたらいいのか意見を出し合いました。
「野生動物と人間と棲む場所を分けたらいいのでは?」「町の中に野生動物の広場を作り、野生動物専用の通り道を作る」「列車との事故をなくすために、線路はトンネルにしたらいい」「トンネルにしたら乗っている人が景色をみることができない」「ガラス張りのトンネルにしたらいいかもしれない!」「森に餌がないために町へ出てきてしまうなら、森の中にえさ場をつくったらどうだろう」「ガラスのトンネルにしても、電気柵で棲む場所を分けるにしても、えさ場を作るにもお金がかかってしまう」など、面白い発想が生まれたり、お金がかかってしまうことに行きついてしまうことで悩んだり・・・一つの意見から更に話が発展していき、面白い時間となりました。
活動の最後には、メンバーもスタッフも、生きものに対する思い・生きものと共に暮らすことへの思い・または話し合いをしてみて感じたことなどを、「わたし・ぼくの気持ちカード」に絵や言葉で表現しました。
<わたし・ぼくの気持ち>
★生き物とくらすのはいいと思う。いろんな工夫してもやっぱり"お金"がかかる。お金がかからない方法はあるのかな?
★生き物と共に暮らすのは、やっぱり難しい。
★電柵を作るならお金がかかるけどしょうがないと思った
★みのまわりをリサイクルしてガラスのトンネルなどをつくる!
★電気牧柵をつけても大きい動物は入れない。小さい動物はとおれる・・・。
★ガラスリサイクルなど、トンネルじゃなくて
★カラスがゴミを食べて荒らしてしまう。
★小さな動物でもはいれないような電気柵を作る。
★生きものもヒトも"いなくなってもいい"ものはいないと思う。ぼくたちの時代で、ヒトがいろんなものを使いつくしてはいけないと思う。バランスよく、生きものやヒトがどっちも自然から恵みを受けられるといい。
★野生動物と共に暮らすのには「お金」というカベがあり難しいと思った。
★野生の生きものと共に暮らす時、いろんな問題があるけど、それでも私は生きものが好きだ!!
前回と今回の活動でできた「ヒグマのプロフィール」や「生きものと共に暮らすために考えたこと」は環境プラザの展示コーナー等で展示しています。
さらに、来館者のみなさんのご意見を展示コーナーにて募集しています。
野生の生きもののことや、共に暮らしていくことについて、みなさんの気持ちをお聞かせください。
環境プラザスタッフ(N★)