オゾン層・紫外線
昔はこんがりと小麦色に肌を焼いている若者や、
太陽の下で遊んで真っ黒に日焼けした子供たちは、
健康そのものというふうに思われてきたけど、
今はちょっと違ってきているんだよ。
日焼けをするのは、紫外線が原因。紫外線は太陽の光の中で一番エネルギーが強い光線だよ。人間のからだがこの紫外線から身を守ろうと皮膚の中でメラニン色素を出して、サングラスのように太陽の光をさえぎろうとしているのが、日焼けなんだ。紫外線は、少しだけならからだの中でビタミンDが作られるなどのいいこともあるんだ。
ところが、紫外線にもエネルギーが強いものと弱いものとがあって、エネルギーの強いものをあびると皮膚がんや目が白くにごる病気になったり、病気に対する抵抗力が弱くなったりするんだ。このエネルギーの強い有害な紫外線から地球の生きものを守ってくれているのがオゾン層なんだ。
オゾンというのは、みんなが呼吸ですっている酸素のなかま。オゾン層というのは、そのオゾンが上空でうすーく広がっているところをいうんだよ。地上12km(飛行機が飛ぶ高さのちょっと上くらい)から50kmまで広がっているんだ。ところが、このオゾン層のオゾンが破壊されて、少なくなってきてきたためにエネルギーの強い紫外線が地上にたくさんやってくるようになってしまったんだよ。
紫外線から守る役割があるオゾン層をこわしているものの正体は、「フロン」という物質なんだ。フロンは冷ぞう庫、クーラー、けしょう品や殺虫ざいなどのスプレーなどに使われたり、クッションのスポンジをふくらませるのに使われたり、工場などで電気部品を洗うのに使われたりと、本当にいろいろなところで使われていたんだよ。でも、このフロンがオゾン層を破壊するのがわかって、1995年に世界中でそれまでのフロンを生産するのをやめ、代わりにオゾン層をはかいしにくい「代替フロン」というものを使うようになったんだ。ちなみに、それまでのフロンは「特定フロン」というんだよ。
ところが、この代替フロンも安心できない物質だということがわかったんだ。実は、どちらのフロンも地球温暖化を強力に(二酸化炭素の何百倍や何千倍も)すすめてしまうんだよ。それで、代替フロンも2020年までに生産をやめることが決まっているんだ。
フロンを使った製品はだんだん作られなくなってきているんだけど、問題なのは今使っている車や冷蔵庫・クーラーの中に入っているフロン。オゾン層をはかいするフロンが、まだまだ、わたしたちのまわりにいっぱい残っているんだ。日本では、フロンが空気のなかに出ないように、車や冷蔵庫などを捨てるときにはフロンを抜きとるようにきそくで決められているんだ。
札幌の場合はオゾン層どうなのかな?
天気予報でおなじみの気象庁では、毎月、日本の上空のオゾンの量と地上にとどく紫外線の量をはかっているよ。それによると、札幌上空のオゾンの量はしだいにへっていっている。地球全体でもオゾンの量がうすくなって、紫外線が強まっていることが問題になっているんだ。強い紫外線は人間をふくめた生きもののDNAをきずつけてしまうので、動物や植物、みんなの食べものにも影響がでるかもしれない。それから、さっきの地球温暖化も心配だね。